REPAIR "KAGELO e.p." 7"アナログレコード DLコード付
¥2,000
東京周辺を拠点にするハードコア・パンク・バンドのREPAIRが約14年半ぶりに出した音盤。
7”EPのレコードだが、
7曲も入っているからシングルではなくEPであり、
アルバム・サイズの聴きごたえありありの濃厚作である。
“前作”にあたるサード・アルバムのLP『AlohaSakhalin』以上に、
パッケージ全体の隅々にまでこだわりが感じられるリアル自主制作盤だ。
音源に関しては、
2年前に交通事故で他界したギタリスト(このレコードは彼の命日の8月16日に発売されている)
の演奏を含む同年のプリプロダクションのテイクを使い、
ヴォーカル・パートを加えて音域調整などを施して仕上げたという。
だが色々な意味で“再生”させた作りが奏功し、
“生”こそ真骨頂のハードコア・パンクの醍醐味たんまりの作品になっている。
ごつい音質である。
レコードならではの鳴りだし、
レコード盤の溝をレコード針が走っていくからこその彫りの深い音が味わえる。
インプロヴィゼイションのプレイではないと思われるが、
不思議とフリーキーでカオティックなREPAIRならではの我流サウンド。
全パートが前にガンガン出ている。
ギターはブルース焼けした音色で疾走しながら“泣き”のフレーズも弾き出す。
『My War』以前のBLACK FLAG、
すなわちチャック・ドゥコウスキをが頭をよぎるベースもカッコいい。
ドラムはタイトで抜けがイイ。
なにしろ情動の加速がすべてなのだ。
ところによってLIP CREAM、ところによってEXPLOITEDもイメージするが
全体的にチャボことロン・レイエスが歌った時代の80年前後のBLACK FLAGを想起。
そういうやや高い声域でリズミカルなヴォーカルも相まって、
シニカルとは言わないまでも屈折感がたまらない。
ギタリストが亡くなった約1年後の歌入れというタイミングも相まって、
様々な思いがこもったヴォーカルの感情の震えも疾走。
日本語の歌詞も意味深長で、
政治家中心に色々な“有名人”をコラージュしたジャケットと共振している。
パッケージ全体で作品だとあらためて思い知らされる。
レコード盤は厚手のレッドスプラッターヴァイナル。
この作品の制作とリリースの経緯か書かれたインサート、
味のある紙質の四つ折り歌詞カード、
ダウンロード・クーポン、
ステッカー2枚も、
しっかりしたジャケットに封入されている。
聞き流すのではなく、
視覚的にも言葉としても誠実な表現。
真正面からしっかり向き合いたい命が宿る重み十分の逸物である。
行川和彦
Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。
7”EPのレコードだが、
7曲も入っているからシングルではなくEPであり、
アルバム・サイズの聴きごたえありありの濃厚作である。
“前作”にあたるサード・アルバムのLP『AlohaSakhalin』以上に、
パッケージ全体の隅々にまでこだわりが感じられるリアル自主制作盤だ。
音源に関しては、
2年前に交通事故で他界したギタリスト(このレコードは彼の命日の8月16日に発売されている)
の演奏を含む同年のプリプロダクションのテイクを使い、
ヴォーカル・パートを加えて音域調整などを施して仕上げたという。
だが色々な意味で“再生”させた作りが奏功し、
“生”こそ真骨頂のハードコア・パンクの醍醐味たんまりの作品になっている。
ごつい音質である。
レコードならではの鳴りだし、
レコード盤の溝をレコード針が走っていくからこその彫りの深い音が味わえる。
インプロヴィゼイションのプレイではないと思われるが、
不思議とフリーキーでカオティックなREPAIRならではの我流サウンド。
全パートが前にガンガン出ている。
ギターはブルース焼けした音色で疾走しながら“泣き”のフレーズも弾き出す。
『My War』以前のBLACK FLAG、
すなわちチャック・ドゥコウスキをが頭をよぎるベースもカッコいい。
ドラムはタイトで抜けがイイ。
なにしろ情動の加速がすべてなのだ。
ところによってLIP CREAM、ところによってEXPLOITEDもイメージするが
全体的にチャボことロン・レイエスが歌った時代の80年前後のBLACK FLAGを想起。
そういうやや高い声域でリズミカルなヴォーカルも相まって、
シニカルとは言わないまでも屈折感がたまらない。
ギタリストが亡くなった約1年後の歌入れというタイミングも相まって、
様々な思いがこもったヴォーカルの感情の震えも疾走。
日本語の歌詞も意味深長で、
政治家中心に色々な“有名人”をコラージュしたジャケットと共振している。
パッケージ全体で作品だとあらためて思い知らされる。
レコード盤は厚手のレッドスプラッターヴァイナル。
この作品の制作とリリースの経緯か書かれたインサート、
味のある紙質の四つ折り歌詞カード、
ダウンロード・クーポン、
ステッカー2枚も、
しっかりしたジャケットに封入されている。
聞き流すのではなく、
視覚的にも言葉としても誠実な表現。
真正面からしっかり向き合いたい命が宿る重み十分の逸物である。
行川和彦
Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。